DENON PMA-60の音質について

発売して一か月、たっぷりPMA-60を聴き込みしたので音質について書き残しておきます。

音質比較 vs RASTEME RDA-520

比較対象は直前まで使用していたRASTEME RDA-520。芯のある鋭い高音と密度のある低音を出し、上から下まで全体的に硬めの音を出すアンプ。S/N比が高くないのが欠点でした。価格帯的にはPMA-60とそれほど違わない、比較的低価格なデジタルアンプです。

比較に使った音源

RDA-520で聴き込んだ音源を選択したらこうなりました。基本的に古めの音源が多めです。

  1. Bill Evans: Some Other Time (The Lost Session from the Black Forest) 2xHD
  2. DREAMSCAPE / Jamaaladeen Tacuma
  3. Eine Alpensinfonie / An Alpine Symphony
  4. ジルデコ / JiLL-Decoy association
  5. オルフェンズの涙 / MISIA
  6. スレイヤーズ THE MOTION PICTURE / 服部隆之
  7. 空色デイズ / 中川翔子
  8. Star Wars I: The Phantom Menace Soundtrack
  9. Star Wars IV: A New Hope Soundtrack
  10. 1812 Overture / Capriccio Italien
  11. 陸上自衛隊富士火力総合演習 1998年&1999年
  12. ULTRAMAN JAZZ / TOSHIKI NUNOKAWA PROJECT
  13. unplugged / Eric Clapton
音質評価

全体を通してPMA-60に感じた特徴は主に二つ。
S/N比がとても高いこと、重低音はほどほどに低音~高音の質感を重視していること。
鋭い高音と柔らかで量感のある中低音を兼ね備えているので、女性ボーカルに力強さと艶があり、アニメソングによくある、歌が上手くないボーカルも上手く聴こえてくるほど。また高S/N比のお陰か音離れが良いので、音が混ざらずしっかり聴こえます。ファーストインプレッションで「J-POPは一つ一つの音が聴こえすぎて違和感を感じる」と感じたのはこれが原因でした。


Eric Claptonの「unplugged」は観客の拍手中でギターソロが始まるのですが、拍手の一つ一つが聞こえ、ところどころ聞こえる口笛が生々しくリアル。そして目の前でギターソロが始まるような感覚があります。おそらく音の定位がしっかりしていること・音の時間軸でのキレが良いことが効いているのでしょう。


Jamaaladeen Tacumaの「DREAMSCAPE」
冒頭のBassソロがとても力強い。ボリュームを上げただけでは出ない迫力が伝わってきます。その後、一瞬の静寂の後に始まるセッションもS/N比が高いのでメリハリが効いた音が出てきます。


総じて満足していますが、若干気になったのがオーケストラの低音。中低音が充実している分、相対的に重低音が弱いので聴いてて一瞬の違和感を感じることがあります。ただし低音に関してはJBL 4312Mにも問題があるのでアンプだけの問題ではないはず。アコースティックラボ蔵前ショールームのB&W 805D3との組み合わせでは迫力不足を感じなかったので組み合わせるスピーカー次第な気がします。
またRDA-520が上から下まで引き締まった音だったので、PMA-60のマイルドな低音に力強さ不足を感じてしまいます。完全に好みの問題ですが。

PMA-60の評価(2回目)

PMA-60は「音楽を聴かせるためのアンプ」という印象。完璧とは全く思いませんが低価格な中でも十分に作り込まれていることを実感できます。今まではJBL 4312Mのポテンシャルを引き出せるアンプを探していましたが、これからはPMA-60の性能を引き出せるスピーカーに興味が行ってしまいそうな気がする、それだけの力があるアンプです。