RYZEN 9 3950XのOC特性を把握するためにクロックベースでCineBenchR20のスコアとその時の電圧/温度/消費電力などを集計してみました。
データ取得環境
マザーボードはASUS STRIX B450-I GAMING。BIOS2901なのでAGESAは1.0.0.3ABBA。
OCはRYZEN MASTERのManualで設定。CineBenchR20が通るなるべく低いVIDを狙っていますがギリギリは狙っていません。
センサー値の取得はHWiNFO v6.20、ワットチェッカーはサンワサプライTAP-TST5を利用。電源は80PLUS GOLDで450WのSSR-450RM。品質と効率は問題なしですが、6年目に突入しているので容量抜けが心配かも。
またWindows10の電力プロファイルはAMDドライバを適用すると出てくる「AMD Ryzen High Performance」を選択しています。
クロック別の消費電力
定格クロックの3500からキリの良い4200までは100MHz単位で、その上はCineBenchR20を安定して通らせられた上限の4275MHzで計測。またPBO(デフォルトの自動OC=Auto)は起動直後の冷えた状態だと高クロックが出るので、何度もベンチを回して熱が入った状態で取得しています。
clock | VID | Cinebench | 温度 | ワットチェッカー | センサー値 | R20 /CPU(A) |
電力 効率 |
||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
R15 | R20 | CPU temp |
CPU (Tctl) |
VRM | idle | 平均 | ピーク | VRM output |
CPU power |
||||
MHz | V | – | – | ℃ | ℃ | ℃ | W | W | W | A | W | – | % |
4300 | 1.500 | 4420 | x | – | – | – | 101 | – | – | – | – | – | |
4275 | 1.425 | 4345 | 10067 | 93 | 111 | 84 | 92 | 353 | 360 | 168 | 236.2 | 42.6 | 80% |
4200 | 1.350 | 4329 | 9982 | 87 | 96.9 | 73 | 85 | 292 | 297 | 148 | 200 | 49.9 | 94% |
4100 | 1.225 | 4230 | 9643 | 79 | 79 | 63 | 75 | 230 | 233 | 124 | 150.2 | 64.2 | 121% |
Auto | Auto | 4136 | 9525 | 82 | 86.1 | 69 | 68 | 259 | 261 | 138 | 179 | 53.2 | 100% |
4000 | 1.175 | 4124 | 9419 | 76 | 75.9 | 62 | 73 | 208 | 212 | 116 | 134.1 | 70.2 | 132% |
3900 | 1.150 | 4030 | 9194 | 73 | 73.5 | 62 | 72 | 198 | 200 | 110 | 124.7 | 73.7 | 139% |
3800 | 1.100 | 3930 | 8943 | 70 | 70.3 | 60 | 70 | 177 | 180 | 100 | 109 | 82.0 | 154% |
3700 | 1.050 | 3820 | 8705 | 66 | 66.3 | 58 | 68 | 163 | 165 | 92 | 94.23 | 92.4 | 174% |
3600 | 1.000 | 3702 | 8456 | 63 | 63 | 56 | 67 | 148 | 149 | 83 | 82.3 | 114.9 | 216% |
3500 | 1.000 | 3610 | 8214 | 61 | 61.3 | 56 | 67 | 146 | 148 | 82 | 80.4 | 102.2 | 192% |
3000 | 1.000 | 3109 | 7069 | 59 | 59.5 | 54 | 67 | 135 | 137 | 72 | 70.6 | 100.1 | 188% |
1500 | 1.000 | 1559 | 3533 | 51 | 51.8 | 50 | 67 | 103 | 105 | 42 | 41.2 | 85.8 | 161% |
900 | 1.000 | 908 | 2094 | 47 | 47.6 | 50 | 67 | 88 | 88 | 29 | 28.5 | 73.5 | 138% |
考察
3.5~3.6GHzの電力効率が圧倒的。定格が3.5GHzなこと、なぜかデフォルトでアイドルが3.6GHzになる理由がわかりました。まさにこのレンジがZen2のスイートスポットということですね。
またPBOはCPU付加100%の場合大体4.05GHz付近をうろつくのですが、キッチリ詰めた4.1GHzの方が消費電力は抑えられています。PBOのフレキシブルさを取るか、手動OCの高負荷時の低消費電力を取るか難しいところ。
VRM outputはマザーボードから拾っている値ですが、MAX240AのSTRIX B450-IならPBOと手動4.1GHzは余裕。4.2GHzは常用には厳しい感じなので、この領域はハイエンドマザーボードの出番。
RYZEN MASTERで1V未満を設定しようとすると即再起動がおきるため3.5GHz以下はすべてVID1Vです。おそらくZEN2の最低駆動電圧が1V前後なのでしょう。そして注目は3GHzの時の消費電力が70.6Wであること。
TDPと消費電力は異なるものですが近似関係にあるのは間違いないため、AMDがその気になればTDP65Wで3GHz16コアのRYZEN 9 3950(Xなし)が登場するかも?
※追加検証してみました。
常用クロックは手動4.0GHzで
現時点では電源に優しくしたいので最大負荷時の消費電力が電源容量の50%以下に収まる手動OC4.0GHzにする予定。電源交換後は手動OC4.1GHzでも良さそう。
コメント
単コアで4.6Ghz程度まで上がるときは瞬間的に1.46V記録してたので
どの程度ocできるのか探ってサイト巡ってたどり着きましたが
4300Mhz程度のベンチも走らないのはハズレ石では?
4400までベンチは軽く通りましたが1.42Vくらいになり熱が不安で
マージン考えて1.38Vで全コア4350Mhzで常用してます。
冷却力不足でしょうね
冷却よりサイズを重視しているとの石運はない方なのでこんな感じです。
せっかくですから冷却環境を教えていただけますか?
3600MHz, 1.000Vの時のシネベンチR20のスコアって8456の間違いじゃないですか?
ご指摘ありがとうございます。たぶん間違いですので9456→8456に修正しました。