最近話題のワイドワーク製放熱ゴム HDR-M7-80 を買ってみました。まずはRYZENに使っています。
秋葉原で売っている食べられないはんぺん HDR-M7
切っ掛けはちょっとした出来心でした。VRMをもっと冷やせればB350M-Aでも4GHzを安定稼働できるのでは?VRMのパワーMOSFETは大抵基板側に放熱板がついているので、マザーボードの熱をケースに逃がせられないか?と。
そんな中2chのRYZEN系スレではんぺんがちょっとした話題になったので、妄想を実現すべく入手してみました。購入場所は秋葉原のarkです。
B350M-AのVRMを裏側から冷やす
利用中のケースはJONSBOのアルミケースなのでケースの放熱性は十分なはず。あとはマザーボードの裏側がどうなっているのか?とケースの側板を外してみると、CPUクーラー用メンテナンスホールからVRM(パワーMOSFET)の付け根が見えています。ここに放熱ゴムを乗せます。十分に絶縁性があるのでショートの心配はありません。
基板と側板との距離は約22mm程度でした。放熱ゴムの厚さが12mmなので二つ重ねてしまえばなんとかなります。というのもこのゴムはとても柔軟性が高いんです。
金尺を側板の代わりに乗せてみました。2~3mmは潰せるのでその分基板にも側板にも密着しそうです。
放熱ゴムの効果1 放熱性能は?
CPU負荷をかけながらVRMの後付けヒートシンクに温度計を取り付けて測った温度とHWiINFOのTemperature 3の温度を確認します。B350M-Aの場合HWiNFOでVRM温度は取得できませんが、Temperature 3~6がヒートシンクの温度と似た値が出ます。きっとここがVRM温度なのでしょう。
まずは常用中のRYZEN 7 3.7G/1.2Vで放熱ゴムなし/ありの温度を比較してみたのですが、効果は確認できませんでした。ケースは確実に温まっているので熱は逃がせているはずです。この温度であれば基板への放熱だけで十分ということなのかもしれません。
RYZEN 7 3.7G 1.2V | 放熱ゴムなし | 放熱ゴムあり | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
Temp3 | 温度計 | CPU | Temp3 | 温度計 | CPU | |
アイドル | 34 | 35 | 32 | 34 | 39 | 32 |
5:00 | 54 | 49.8 | 59 | 55 | 54 | 60 |
10:00 | 55 | 51.3 | 60 | 56 | 58 | 60 |
それならばとOCCTが通る最大クロック&電圧で測ってみしたが、やはり効果は確認できません。先ほどよりもケースは熱くなっているので熱は確実に逃げているはずなのですが・・・。
なおヒートシンクの温度は、高熱によりセンサーを固定しているテープの粘着力が弱まって外れてしまい計測できませんでした。
RYZEN 7 3.90G 1.40V | 放熱ゴムなし | 放熱ゴムあり | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
Temp3 | 温度計 | CPU | Temp3 | 温度計 | CPU | |
アイドル | 34 | 35 | 38 | 34 | 36 | 39 |
5:00 | 72 | – | 81 | 72 | – | 81 |
10:00 | 73 | – | 82 | 73 | – | 82 |
基板の熱が分散することでパワーMOSFETの温度自体が下がってくれることを期待したのですが残念な結果でした。後付けヒートシンクの効果が出ているということでしょうか?
放熱ゴムの効果2 OC耐性は向上したか?
結論からいうとOC耐性は全く向上しませんでした。システムの安定稼働や寿命は別としてVRM温度はOC耐性に影響を与えないのですね。
結論
VRM温度もOC耐性も企画倒れな結果になりましたが、しっかりケースに放熱されているので放熱ゴムによる悪影響はないはずです。このまま使い続けることにします。