CRYORIG R1 Universalの冷却性能をNoctua NH-U12Sと比較してみました。
CRYORIG R1 Universal
R1 Universalの外見、フィッティングについてはこちらをどうぞ。
Noctua NH-U12S VS CRYORIG R1 Universal
RYZEN7 1700をオールコア3.7GHz/1.2VにOCし、OCCT4.5.0のCPU:OCCTを6分実行した時、CPU温度、VRM周辺温度、MB温度、メモリ(CPU側)、メモリ(外側)の温度を比較します。メモリ温度はCrucial BALLISTIX ELITE Q4U2666BME-8Gの機能を用いています。
RYZEN7 3.7GHz@1.2Vの発熱量はコア95WとSOC15Wで120W前後です。NH-U12Sは12cm級シングルタワー/シングルファン、一方のR1 Universalは14cm級ツインタワー/デュアルファン、もう少し差が付くと思っていましたがCPU温度の差は2.3度でした。
TDP140W対応のNH-U12Sで十分と取るか、240W対応のR1 Universalなら更に2度以上下げられると取るか・・・
VRM周辺温度はR1 Universalへの変更で4度低下。14cmファン化によってVRM周辺に風が当たるようになった結果、温度が下がったということでしょう。同様にメモリ温度も僅かながら低下しています。
VRM周辺温度も下げれたことは良かったのですが、価格・カタログスペックの割に期待外れ感が否めません。ケースの排熱能力不足な気がするので、サイドパネルを外してもう一度OCCTをかけてみます。
CRYORIG R1 Universal ケースのサイドパネル有り無しの比較
サイドパネルを外したことでCPU温度が8度、VRM周辺温度が7度も下がりました。やはりケース上部の排熱が間に合っていないようです。
利用中のケースファン「SP120 PWM Quiet Edition」の最大風量は37.85CFM、CPUファン「XF140」は76CFMと倍以上の差があるため、このを埋めないとR1 Universalの本当の性能を引き出せないということですね。
過去の計測結果と比較
最後に以前取得したWraith Spire/NH-U12Sとの比較です。条件はRYZEN 7 1700のOCを3.7GHz@VID1.2875Vでそろえ、CineBenchR15とOCCT5分、7分、10分のCPU温度を取得します。
CPUクーラー | 室温 | アイドル | CinebenchR15 実施直後 |
OCCT 5分 |
OCCT 7分 |
OCCT 10分 |
---|---|---|---|---|---|---|
Wraith Spire | 18C | 37C | 70C | 79.3C | 81.5C | 83.25C |
NH-U12S | 19C | 33C | 62.5C | 73.5C | 73.5C | 73.0C |
R1 Universal | 27C | 36C | 66.1C | 69.8C | 74.4C | 75.3C |
R1 Universal (サイドパネル開放) |
27C | 32C | 61.0C | 65.9C | 71.0C | 72.3C |
室温が8~9度も違うのですが、サイドパネルを閉じた状態でも負荷時の温度差は3~5度差に収まっています。さらにサイドパネルを開けると温度は逆転していることから、エアフローがしっかりしていればR1 Universalは夏でも安心してOCできるだけの冷却性能がありそうです。