我が家のスイッチングハブはNETGEAR GS105。金属筐体でしっかりしたスイッチングハブということで利用しているのですが、意外にも音質が良いらしいです。更に良くする方法があるらしいので部分的に取り入れてみました。
1.改造方針
前提としてどんな機器でも電源の品質を上げることによるデメリットは少ないと考えています。電源品質が上がれば放出ノイズが減る。結果接続機器への悪影響が減り、音質低下を低減=音質向上になるという理屈です。
GS105の改造例を見ると基板上のDCDCコンバータを回避して直接3.3Vを供給することでクオリティアップするとのこと。3.3V用の平滑コンデンサをクオリティアップすればさらに良しとも。
ただし3.3Vの高品質な電源を準備するのも、基板上の小さな抵抗を外すのもかなり敷居が高め。真似は難しいとあきらめていましたが、3.3V用の平滑コンデンサを低ESR品に交換するだけでもリップルノイズ削減に十分効果があるのでは?と思いついたので試してみることにします。
2.使われている電解コンデンサを確認する
手元のGS105-300JPSの蓋を開けると基板上にGS105V4の文字あり。V3のマイナーチェンジでASICがBroadcom BCM53125になりIEEE 802.3azに対応したモデルとのこと。
使用されている電解コンデンサは2つ。DC12Vを受ける入力コンデンサ 日本ケミコン 25V 220µFと、3.3Vに減圧された後の平滑コンデンサ elite 25V 100µF。
3.コンデンサ選定
一番悩んだのがコンデンサ選定。カタログスペックは分かりますが実際なにを選べばよいのかノウハウがありません。
ひとまず耐圧25Vで超低ESR、105℃品、寿命2000h維持で探してみると、サン電子のME-WGがヒット。参考にしたページでもME-WGを使っているので多分大丈夫でしょう。
ME-WGの25Vラインアップは220µF/330µF/470µF~となっていて、元が100µFと220µFなので220µFと330µFをそれぞれ2個ずつ取り寄せました。
なお購入はアスカ情報システム。たった4つで数百円にしかならない物販なのに丁寧な仕事でした。恐縮なのでサイトへのリンクを張って応援しておきます。
アスカ情報システム
https://www.pken.net/ish_mm/shop.htm。
4.コンデンサ交換
交換自体は簡単な作業なので手順は省略しますが12V側が220µFから330µFに、3.3V側が100µFから220µFに容量アップ。またコンデンサ自体も極低ESR品に変更できました。
今回からはんだ吸い取りに「はんだシュッ太郎NEO HSK-300」を投入したので安全快適に作業できました。
5.接着されていたヒートシンクが外れるトラブルが発生
ここでトラブル発生。作業後に金属ケースに基板をはめなおそうとしてたらヒートシンクが落ちました。基板・チップ側にもヒートシンク側にも茶色く変色した硬いモノのようなものが固着していたので、熱伝導性接着剤が経年劣化ではがれたようです。
しかたないのでチップ・ヒートシンク両面の固着物を平刀で削り落してから熱伝導両面テープで接着することにしました。
ということで復活。数日エージングした後にケースを外して確認してみましたが、ヒートシンクはしっかり固定され人肌以上に熱せされていたのでしっかりと機能しているようです。
6.エージング後の効果測定
コンデンサ交換後すぐに2PC間のiprefで950Mbps以上出ていることを確認。NIC性能の問題もあるのでこれだけ出ていればギガスイッチングハブとしての性能は問題ないといえるでしょう。
次に4日=100時間以上たってから再度分解してコンデンサの発熱、はんだの割れ・ゆるみがないことを確認。そしてNASの音源をUBP-X800M2で聴いてみましたが、違いは・・・分かりませんでした。
GS105とX800M2の間にLANアイソレータを入れているから効果が薄いのか、ハブよりも音質に影響するモノのクオリティが低いのか、そもそも耳が・・・まぁ3つ全てでしょうね。
ということでGS105のコンデンサ交換でした。自己満足はできたので良しとしましょう。