放熱ゴム(はんぺん)でM.2 SSDを裏側から冷やす

ワイドワーク製放熱ゴムの活用方法を考える回第二弾。M.2SSDに使ってみます。

PCIe基板から外したPX-AG256M6e(PX-G256M6e相当)

今回はPX-AG256M6eの冷却に利用します。というのもこのSSDはコントローラが裏側に実装されているため、表面にヒートシンクを取り付けてもあまり効果を期待できません。それならコントローラとマザーボードの隙間に放熱ゴムを挟んで冷却できないか?という試みです。

ということで放熱ゴムを用意します。B350M-Aの場合は、SSD取り付けのためのスペーサーの高さが約6mmでした。放熱ゴムの厚さは12mmなのでカッターナイフで半分に切ってあげれば、ほどよく潰れて密着するはず。

綺麗に乗りました。

放熱ゴムを挟むと丁度良く潰れています。計算成功です。

SSDの温度を測る

PX-AG256M6eには温度センサーがついていないので今回も外部センサーで温度を測ります。計測場所はM.2スロット側の表面(コントローラの裏側)と基板端側の2か所。ATTOベンチを2回実行し、1回目終了後、2回目終了後の温度を取得します。

ノーマル状態では、アイドルの45度からATTO2回目実行後は72度に上がっています。基板表面でこの温度なので裏のコントローラはもっと高温かもしれません。
そして放熱ゴムを挟むことでATTO2回目後の温度が12度も低下しているのがわかります。コントローラの熱を確実にマザーボードに逃がしているということですね。ヒートシンクと組み合わせると負荷をかけても50度以下。この温度なら、何の心配もなくSSDを利用できます。

M.2ソケット側
(コントローラ裏側)
アイドル ATTO
1回目 2回目
ノーマル 45 70 72
ヒートシンクのみ 40 50 53
放熱ゴムのみ 43 57 60
ヒートシンク & 放熱ゴム 37 41 43

次に表面端側の温度を取得します。
ノーマルではアイドルは38度、高負荷時は58度まで上がります。ヒートシンクを装着することでアイドルは1度上昇、負荷時は5度低下という結果に。これはヒートシンク全体にコントローラの熱が回ったためと考えられます。次に放熱ゴムを取り付けると5~10度下げることに成功。最後に両方を組み合わせることで高負荷時でも43度に抑えることができました。

基板端側
(メモリチップ上)
アイドル ATTO
1回目 2回目
ノーマル 38 56 58
ヒートシンクのみ 39 49 53
放熱ゴムのみ 33 42 48
ヒートシンク & 放熱ゴム 31 39 43
効果の程は?

両面実装のSSDなら放熱ゴムを挟むことで大幅にSSDの温度を下げることができます。後付けヒートシンクと組み合わせれば効果は抜群。表と裏から確実に放熱できるでしょう。